2016/11/04

WEST RIDE BIKERS TOOL ROLL

WESTRIDE BIKERS TOOL ROLL
 
ウォレットに続き、WEST RIDE様のツールロールもデザイナー中井氏のデザイン画、指示書を基に自分の提案を加味して、制作させていただきました。
 
「クロムなめしのあとに、タンニンを喰わせているショートクロム」
「クロコダイル型押しを施したヌメ革」と「ショートクロム」のコンビ
の2パターン。
 
ベルトはベンズレザーを使用しています。
 
 
見た目を重視しながらも、機能性を損なうことなく、かつ頑丈にがお題目。
まさに、リアルバイカークロージングを提案する「WEST RIDE」ならではかと思います。
 
個人的に一番重視したのは「頑丈に壊れないように」
基本的にはバイクに括り付けて使用することが前提ですので、脱落して紛失するだけならまだしも
落下物が他人に迷惑をかけることは避けたいところ。
 
その辺はバイカーである自分自身、良く判っていますので、気を使って制作。
 
ハードテイルの振動も重々承知しております。
当然、バイクなんで雨、風にもさらされます。
相手は硬いアスファルトと工具の重みと繰り返される振動、甘く見れるわけはありません。
 
 
 まずは中、インサイド


 
62cm×30cm
 
インサイドは「撥水加工が施された帆布」
良い生地です。
OEMじゃないと、なかなか触れないなと思い、このようなマテリアルを扱えるのは
新鮮で楽しかったです。
 
「ファスナーポケット」と「長物」をさせる場所が9か所
ファスナーはやはりヴィンテージルックな「UNIVERSAL」ファスナー。
 
 
本体背面
この背面に配置された二本の帯の間にフレーム等がくるような使い方だと
「帯」と「ベルト」に対する荷重を考慮。
帯にはレザークラフトに良く用いられる「カシメ」ではなく、「中空鋲」を用いてます。
「カシメ」よりも、かなりの強度があり、主に「ランドセル」に使われる部材です。
昨今「日本のランドセル」が、その耐久性、機能性を海外で高く評価を得ているのが良く判る気がします。
中空鋲の背面はこんな感じの「座金」
素材は「鉄」に「真鍮メッキ」です。
通電はしますので、そこは注意。
帯は「革」と「高密度ナイロンテープ」と縫い合わせて制作。
「高密度ナイロン」の「ひっぱりに対する強度」は革よりも圧倒的に強いです。
革は濡れると伸びてしまいますが、ナイロンテープは伸びません。
 
「本体との一体感」を持たせたかったのと「帯の端の処理」を考え、ここの帯はあまり厚くせず
強度を出したかったので、このような手段にて。
 
あと、ベルト脱着時の滑りも良いです。
 
 
このツールロールに用いたベルトの革ですが
「昭南皮革」の「多脂ベンズ」を採用。
極厚のベンズオイルレザーを「4.5mm厚」にして制作。
 
昭南皮革は品質管理に定評のある関西のタンナーさんです。
多脂ベンズは「9~11月に入る上質な原皮のみ」を使用し、
渋槽で2~3ヵ月じっくり時間をかけ丁寧になめされています。
 
ベンズレザーとは要するにトリミングされた革です。
牛革の首(ショルダー)、腹(ベリー)などを取り除いた「背中、腰、臀部の部位」のみを鞣した革で
十分な厚み、繊維が密に詰まったコシの強さを持っています。
 
普段、あまり、この手のことは言わないですが、国内に限って言えば、本当に最高品質の
ベンズレザーで、これ以上のものは、ほぼ無いのではないかと
製作していて本当に感心してしまいました。
 
「真鍮無垢のバックル」はこの厚い革を折り曲げて(ヘリ返し)とめているのですが 
わざとその部分は、あまり薄く削ぐことはせず、なかば強引に力技で折り曲げています。
 
故に最初のうち脱着は少々苦労すると思いますが、確実に「ヘタる部分」ですので
そのようにさせてもらいました。
 
かなり、しっかりしたコシのあるベルトですが
ただ、雨などで「ずぶ濡れ」になった場合などは、注意してください。
特にヌメ革というのは、本来、水には弱く、水分を含むと、どんなに厚くても革は伸びます。
少々、濡れるぐらなら心配はないですが、ずぶ濡れになった場合は
見た目など気にせず、ゴムバンドなんかで縛ってもらうのが良いかと思います。
 
丸めるとこんなサイドヴュー。
 
自分の世話になっているメカニックにサンプル見せたところ
「これに工具満載だと、そうとうなもんだ」と言ってました。
 
旧車関係を前提に話をしてしまいましたが
もちろん、トラブルの少ない比較的高年式の車両でも、少々の工具と
車検証の写し、書類などを収納しても、バッチリ車両に似合うと思います。
 
 
 外周の仕上げ


 
帯状の革を3つ折りにして、ヘリ巻をするのですが
「ヘリ玉」仕上げと言います。
 
切りっぱなしできず、異素材を挟み込むときなんかには有効な仕上げです。
もちろん、デザイン的な要素もあります。
 
2つ折りの「バインダー」仕上げでもよいのですが
ミシンがけをする際に「ラッパ」という「帯をヘリに巻き付ける」器具を
「この縫製の条件に合う形で」特注し用意しなければならず、
また、厚さが要所要所、変わるので、そのラッパが機能しない場合なんかもでてきます。
 
ラッパを使わず、ノリや両面テープなどで帯を固定して縫いあげても良いのですが
素材により、接着の効きが悪いと、カーブなんかはかなり大変、、、。
 
ヘリ玉仕上げは、「手作業ならではの手間のかかる仕上げ」ですが
今回はその辺のことを考慮して余計な道具を使わず仕上げられるので
この手段で仕上げてみました。
 

 
特殊なアイテムではありますが、このようなことを考え考え制作。
やはり、量をこなすと勉強になることが多々にて、非常に有意義でした。
 
ありがとうございました。そして、ぜひ、よろしくお願いします!!
 
 
 


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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